転記・集計作業とは
転記は、ある場所にある情報を、別の場所に写す作業です。集計は、あちこちにある数字を集めて、合計や一覧にする作業です。
小さな会社やお店では、たとえば次のような形でよく見られます。
- メールやフォームで届いた注文を、表計算ソフト(ExcelやGoogleスプレッドシート)に打ち直す
- 手書きの日報や伝票を、パソコンに入力し直す
- 店舗ごと・担当者ごとの売上の表を、月末に1つにまとめる
- 同じお客様の情報を、顧客の一覧・見積書・請求書にそれぞれ入力する
どれも1回あたりは短い作業です。しかし毎日・毎月くり返すため、積み重なると大きな時間になります。
手作業のままだと起きやすいこと
転記・集計を手で続けると、時間のほかにも困りごとが出てきます。
- 打ち間違いが起きる:数字の桁や、名前の漢字を写し間違える
- 確認の手間が増える:間違いを防ぐために、別の人がもう一度見直す
- 担当者しか分からなくなる:手順がその人の頭の中にあり、休むと止まる
- 今の数字が分からない:まとめ終わるまで全体が見えず、判断が遅れる
※これは、作業をする人の注意力の問題ではありません。同じ情報を何度も入力する「仕組み」が、間違いを生んでいます。
まず、今の作業を書き出す
いきなり道具を探すより先に、今の作業を書き出します。紙でも表でもかまいません。1つの作業ごとに、次の項目を書きます。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 何を | 注文メールの内容 |
| どこから | メール |
| どこへ | 受注の一覧表 |
| どのくらいの頻度で | 毎日 |
| 誰が | 事務の担当者 |
| どのくらい時間がかかるか | 1件ごとの時間と、1日の合計 |
書き出すと、「同じ情報を2か所以上に入力している」「この表は今は誰も見ていない」といったことに気づけます。時間がかかっている作業や、間違いが多い作業から順に、見直す候補にします。
減らし方は「やめる・まとめる・自動にする」の順で
見直すときは、いきなり自動化を考えないのがコツです。次の順番で考えると、むだな費用をかけずにすみます。
1. やめる
誰も使っていない表や、念のために作っている控えは、やめられないか考えます。作業そのものがなくなれば、自動にする必要もありません。
2. まとめる(入力を1回にする)
同じ情報を何か所にも入力しているなら、最初に入力する場所を1つに決めます。たとえば、お客様の情報は1つの一覧にだけ入力し、見積書や請求書はそこから読み込むようにします。表計算ソフトの関数(決まった計算や参照を自動でする機能)だけでできることも多くあります。
また、注文や申込みを入力フォームで受けると、届いた内容がそのまま一覧表にたまります。メールから打ち直す作業が要らなくなります。
3. 自動にする
やめられず、まとめても残った作業を、道具で自動にします。順番を守ると、自動にする作業の数がぐっと少なくなります。
自動化に使える道具
| 道具の種類 | 向いている作業 | 始めやすさ |
|---|---|---|
| 表計算ソフトの関数・集計機能 | 複数の表の集計、一覧づくり | 今あるソフトで始められる |
| 入力フォーム(Googleフォームなど) | 注文・申込み・日報の受付 | 無料で始められるものが多い |
| パソコン操作の自動化ツール(RPA) | 決まった手順のコピー・貼り付け | 無料で試せるものもある |
| 生成AI | メールや書類から必要な項目を抜き出す | 人の確認とセットで使う |
| 専用のWebアプリ・業務システム | 上の道具では難しい、会社独自の流れ | 費用と期間がかかる |
RPA(ロボットのように、決まったパソコン操作を代わりにする仕組み)の例に、Microsoftの「Power Automate for desktop」があります。Windows 11には最初から入っていて、Microsoftアカウントでサインインすれば基本の機能を無料で使えます。ただし、アカウントの種類によって使える機能が違い、一部は有料です。
※料金や機能は2026年10月時点で確認した目安です。変わることがあるため、使う前に公式の案内を確認してください。
生成AIは、メールや書類を読み取って、決まった項目に分けるのが得意です。一方で、読み間違えることもあります。金額や日付など大事な項目は、人が確かめる手順を残しておきます。生成AIを仕事で使うときのルールの決め方は、小さな会社が生成AIを仕事に使い始める方法でまとめています。
自動化するときの注意点
- 小さく始める:まず1つの作業だけを自動にし、しばらく様子を見てから広げる
- 手順を書き残す:何をどう自動にしたかを書いておき、作った人しか分からない状態を避ける
- 元の情報を残す:元のメールや書類は消さずに保管しておく
- 止まったときの手順を決める:画面や書式が変わると、自動化は止まることがあります。そのとき手作業に戻す方法を決めておく
- お客様の情報の扱いに気をつける:外のサービスに個人情報を入れるときは、保存先や共有の設定を確認する
見積書・請求書の作業に絞った見直し方は、見積書・請求書づくりを楽にする方法で紹介しています。
Tukimoの場合
Tukimoでは、今の作業の流れをお聞きするところから始めます。やめられる作業、まとめられる作業を一緒に整理し、AIや既製の道具で済む部分はそれで解決します。足りない部分だけ、Webアプリや業務システムを作ることもできます。詳しくは業務の自動化のページをご覧ください。
公開日: 2026年10月16日